社説「住宅新報の提言」

フジテックのEV560台で強度不足 国交省

 国土交通省はこのほど、フジテック製のエレベーターで部材の強度不足が見込まれるものが560台あると発表した。建築基準法で定める基準に対して最大約3分の1の強度不足が見込まれる。

 02年9月から07年6月にフジテックが製造したエレベーター及びエスカレーターのカゴ枠等に本来使用するはずだった鋼材(SS400材)よりも強度の低い鋼材(SPHC材)が使用されていたことについて、フジテックから国土交通省に報告があった。エスカレーターについては強度不足は無いとのこと。

 同省は、強度不足が見込まれるエレベーターに対して、強度計算の実施と結果の報告及び補強工事等の計画の提出を求め、速やかに補強工事等の実施を求めている。さらに、他社エレベーター及びエスカレーターにおいても同様に、本来使用することを予定していた鋼材よりも強度の低い鋼材が使用されている事例が無いか、メーカー各社に調査を行うように要請した。

【今週の視点】
 耐震偽装事件からはや1年半。今もなお、住宅・不動産業界では強度不足や耐震偽装といった話題が後を絶たない。ここにきて、新潟中越沖の大地震(M6.5)も発生し、多くの人命と建築物が失われた。新耐震基準前の老朽化した木造住宅の多くに最も被害が見られた。
 古い建築物は、工法はもとより材料自体にも強度不足が見られることが多い。高度経済成長時代、建設ラッシュで砂が不足し、海砂を混合したコンクリートが用いられた結果、時を経た今、マンションの柱内部が空洞化する現象が多発している。