国土交通省はこのほど、「改正建築基準法の施行に関する追加措置」を発表した。
構造計算書偽装問題の再発防止を図るため、6月20日に建築基準法が改正された結果、大幅に建築確認手続きが遅延し、建築着工が激減している状況に対応する。
都道府県知事あてに総務省連名で、各都道府県において説明会等を開催して、よりきめ細やかな情報提供を行うことや、相談窓口の設置などについて通知した。
また、工務店の資金繰りなどの経済的影響が懸念されることから、セーフティネット貸付及び既存債務の返済条件の緩和措置を講じる。具体的には、中小企業金融公庫の融資限度を4.8億円(通常は2.4億円)に倍増し、元金返済据置期間を2年以内(通常1年以内)に延長。無担保・担保不足の場合でも、金利を上乗せして融資を可能とするなどとなっている。
【今週の視点】
建築確認の遅れが今や社会問題化している。遅れの理由は、構造計算に関して専門家による審査(ピアチェック)が必要となったわけだが、そのコンピュータープログラムが未だ開発中ということのようだ。8月には半数の県で着工がゼロとの調査結果もでるほど。
もともと、建築確認をスムーズにするために民間に委託(規制緩和)したわけだが、その結果耐震偽装が発覚。
慌てて、法改正を行ったもののシステムが稼動せず、確認申請の受付もままならない状況だ。