社説「住宅新報の提言」

「ヒューザー」元社長、2審も有罪判決 東京高裁

 一連の耐震強度偽装事件をめぐって、マンションの強度が不足しているのを知りながら売買代金約4億1,000万円をだまし取ったとして詐欺罪に問われたマンション販売会社「ヒューザー」元社長、小嶋進被告(55)の控訴審判決が3月6日、東京高裁であった。

 門野博裁判長は、懲役3年・執行猶予5年とした1審・東京地裁判決を支持し、被告及び検察双方の控訴を棄却した。

 1審では検察側が、小嶋被告が神奈川県藤沢市のマンション「グランドステージ藤沢」建設で元1級建築士・姉歯秀次受刑者(51)によって構造計算書が偽造され、安全性が確認されていないにもかかわらず、05年10月に売買契約をむすんだ11人に対して営業担当者を通じて引き渡し中止を指示せず、売買代金をだまし取ったと主張。これに対して、小嶋被告は一貫して、無罪を訴えていた。

【今週の視点】
 耐震強度が基準の15%しかない神奈川県藤沢市のマンション「グランドステージ(GS)藤沢」(地上10階、地下1階)の再建事業で、マンション住民が協力を依頼したゼネコンや不動産、住宅会社計5社すべてが辞退していたことが先月17日に報道された。住民の条件を満たすと売却用の部屋も同じ広さとなり、価格が高くなり売却できない恐れもあると、業者が説明したという。