誰もが〝最先端〟に触れられるようになった。生成AI(人工知能)の誕生で生活やビジネスは変革される。それは単なる便利ツールではない。企業や組織を、更に、私たち自身の働きをパワーアップしてくれる。AVITA(東京都目黒区)は、同社独自技術のAIアバター(分身)を提供し、各社のロールプレイング(以下・ロープレ)や、接客コミュニケーションの場面で深刻化する人手不足を補完する。また、そこで得られた〝知見〟を蓄積・活用することで、営業力や顧客満足度の向上に期待ができる。最新ソリューションの展開で、私たちが切り拓く未来までもサポートする。
働く人たちが減っている。リスキリング、副業で働き方は多様化し、人材の流動性が高まった。異分野・異業種からの採用、外国人材も含めた〝即戦力化〟によって企業の成長に活躍してもらいたい。
「特に不動産業界は、高度な営業力が求められていると聞く。高額商材に顧客の納得感や満足感を得てもらう高い提案力が必須となる。ただ、教育する管理者も業務に追われている。AIアバターの導入はそれら課題を解消し、営業力の高度化にも期待ができる」(同社取締役副社長COO兼CFOの西口昇吾氏)。
同社提供のAIロープレ支援サービス『アバトレ』は、想定顧客のAIアバターとの対話で、接客や商談の練習を重ねて接客スキルの高い提案力を養え、人材を鍛えてくれる。背景の年収や家族構成などは自在に設定できる。練習者の対話内容の良い点・悪い点を具体的に指摘し、接客中の表情までも評価する。一人ひとりのコミュニケーション力や提案力までAIの力で可視化される。適切に相手に伝わる、的確に相手の思いをくむための改善点をアドバイスしてくれる(イメージ写真)。
豊富な場面設定
大事な要素の〝緊張感〟のある現実世界のロープレは、もちろん重要。同じ疑似体験でもAIアバターならば自然な言語の指示で、「人では難しかった豊富なバリエーションの想定顧客を演じ分ける。体系化された様々な場面を通じ、現実世界で多年を要していた数多くの〝場数〟を踏める優位性がある」(西口氏)。eラーニングのように、動画を視聴するだけの練習方法では〝知識〟を得ても身に付きづらい。ケース・バイ・ケースで多岐に渡る不動産業務だからこそ、AIアバターでの複数場面の実践的な練習は、実務で必須の〝臨機応変〟な〝実力〟を自然と養える。
実際の現場で、一からロープレを実施すれば、とても時間が足りない。そこで8割9割をAIアバターで練習し、残りを人間相手に補習する。短期間での即戦力化に期待ができる。更にトップセールスがAIアバターを相手に商談対話すると、その全てのデータが蓄積されて、実際の商談現場での成約の〝勝ちパターン〟が見えてくる。それをAIロープレの内容に反映させてAIを〝育成〟して練習すれば、個人や組織全体の営業力の向上につながる。
更にもっと効果的に、AIアバターを活用する方法もある。同社提供の『AVACOM』は、サイネージやWebサイト上で多言語にも対応したAIアバターが自動対応する。また、AIアバターだけでは対応が難しい場合には、スタッフがアバターを操作して、リモートで接客することも可能だ。1人の社員が1つの場所から複数拠点をモニターしながら対応することで、人手不足を解消する仕組みである。その上、AIロープレで蓄積したデータベースの中から、優秀な接客場面を接客用のAIアバターに反映すれば〝高品質〟に接客できる。「両サービスを両輪として活用すると、相乗効果を得られる。接客品質が向上していく好循環を生み出せる」(西口氏)。
顧客側は、温度感がそれほど高くない段階での訪店は躊躇(ちゅうちょ)しがちで、個人情報を扱う場合ならば、なおさらでもある。しかし、「ちょっと聞きたい」「気軽に相談したい」といった場合に〝程よい距離感〟で対応できるAIアバターは、顧客側の心理的ハードルを下げる効果がある。今後の追客対象としての母集団の確保もできる。
AIと人の協働
「テクノロジーだけで全ては解決せず、効果は業務の効率化だけでもない。人とAIの協働で私たちの力を増強して進化させる。使うほどに人や組織、企業が成長する。AIの活用を早く始められればデータの資産が一層多く〝複利〟で蓄積される。DX時代の価値創造の源泉となる企業資産を増やせる」(西口氏)。




