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大言小語 独禁法違反

 マンション大規模修繕での談合疑惑を巡って公正取引委員会が独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査したことが報じられた。受注業者を調整していた。築年数が経過し大規模修繕が必要な物件が増えている中での出来事である。

 ▼都内のあるマンションで2回目の大規模修繕の話が進んでいる。1回目の修繕は管理組合系列の工事会社と修繕委員が独自に見つけてきた3社の計4社でプレゼンさせて、無記名投票で施工会社を決めた。当時の修繕委員に話を聞くと、「管理会社系列の工事会社を使うと費用の実態が見えない。複数の下請けに見積もりを競わせていると言っても本当のところは分からない。管理会社の下請けに発注しているので、管理会社の取り分が発生する。修繕費用が足りないと騒ぐ前に管理組合でできることはしようとの判断だ」と振り返った。

 ▼誰もが知っている大手不動産系列を含めた多くの都内の著名ホテルが客室単価の内部情報をホテル各社で共有して不正に宿泊料金をつり上げている可能性を公取に指摘された。訪日客の急増でホテルの宿泊客は外国人が目立っている。

 ▼記者が若いころに海外に行けば、至る所で日本人価格として料金を徴収されたものだが、今の日本で外国人価格を導入する気配はない。政府のように内弁慶なのか、それとも確信犯なのか。カルテルであれば「外国人と同じ宿泊料金=便乗値上げ」と捉えられても仕方があるまい。