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大言小語 医療従事者は神様ではない

 友人の親が心臓の手術を受けることになった。その家族からは病院側の対応に不満が……。「〇月〇日の午前8時45分までに来院してください」。そう言われ時間通りに足を運ぶと昼頃まで呼ばれない。看護婦が最初に「45分ほどお待ちください」と声をかけてきたが、その後はなしのつぶて。これが一度ならず毎回のことだという。

 ▼会社を休んで付き添いをしている子供はしびれを切らして、どれだけ待てばよいのかを聞きに行った。乗車している電車でアナウンスが何もなく停車しているといら立ちを覚えるものだが病院はその比ではない。「なんの配慮もなく人を待たせるという殿様商売」。これが都立病院という公的な医療機関なだけに不満が募った。

 ▼不動産業界での対応はどうか。そんな病院での出来事について、「顧客の心情をおもんぱかって接客する。モデルルームや店舗での接客には細心の気配りをしている。というよりも業種を問わずに顧客への接客には気を使っているはず。お客様は神様です、と昭和のような意識は働かなくても礼儀は尽くす。むしろ最近は、カスハラへの対応を考えるくらいだ」という。

 ▼もっと言えば、政治家でさえ選挙票に響かないよう表向き国民には丁寧に応じる。食いっぱぐれることのない組織に属すると人は、人に対して無頓着になるのだろうか。お客様は神様ではないが、コロナ禍で賛辞を受けた医師や医療従事者も神様ではない。