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大言小語 待ち遠しい合格発表

 不動産業界の登竜門である宅建試験がこのほど実施され、関心は合格ライン予想に移った。各受験学校などや宅建講師陣の合格予想ラインをみると、昨年と同じ36点もしくは37点との予想が多い。例年のことながら、このわずか1点の差が多くの人の合否を左右することになる。

 ▼長年にわたり本紙でも宅建試験受験セミナーを連載してきた。当社教育事業部門も宅建受験講座を実施してきた関係で自身、宅建解答作業に関わりができてから35年が過ぎた。そしてその間、大きく様変わりしてきた試験当日の解答速報を身をもって体験してきた。

 ▼35年前、当時の解答速報は唯一、電話が頼りだった。本紙解答番号が各社員に配られて、一人ひとり電話応対で全50問の解答番号を伝えていた。やがて電話の高機能化が進んだおかげで、音声自動回答がこれにとって替わった。

 ▼90年代後半、インターネットが普及すると瞬く間にウェブ解答速報が主流となる。並行して公開時間も競い合うように早まっていった。今日では、早いところでは、試験終了直後に解答速報が始まる。動画やSNSなども加わってその手法も多様化が著しい。

 ▼一方で資格試験に限らずだが、試験そのものの運営もデジタル化が進む。近未来には合格発表はなくなり、試験終了時にすぐ合否が判明する時代が来るのかもしれない。ちなみに今年度の合格発表は11月21日だ。