総合

大言小語 メディア離れ

 メディア別の信頼度を調べた15回目の全国世論調査によると、NHKテレビが67.4点でトップを死守し、新聞67.1点、民放テレビ62.1点、ラジオ55.1点、インターネット48.9点、雑誌42.1点と続いた。「普通」を50点として、100点に近いほど信頼度は高く、0点に近いほど信頼度が低くなる評価で、新聞通信調査会がまとめた。

 ▼残念にも調査開始以降、民放テレビを除く全てのメディアの信頼度が長期低落傾向にある。新聞は72点から約5ポイント低下した。インターネットも58.0点と信頼性を維持していたのが、2018年度に50点を割り込みなお低下が続いている。マスコミ出身者でもある、ある大学学長はこれを「世の中で信頼できるものがなくなってきている」表れだと分析する。

 ▼同学長はこうも指摘する。「ブロガーやユーチューバーといったSNS上の発信力、影響力がマスコミをしのぐケースが目立ち、新聞、テレビは立ち遅れている」と。情報のネット化が進んでいることが、伝統的なメディア離れを引き起こしていると言われて久しい。しかしそれは表面的な部分であって、メディア側の言い訳に過ぎない。多くのユーザーが求めるのは、思惑もない加工もない事実であり、そうしたニーズはむしろ高まる方向にあるといえる。メディア離れの本質は、情報の正確性や公平さへの不信であり、発信元の姿勢が問われていることは明らかだ。