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大言小語 諦めず庶民が声を上げる時

 業界団体の賀詞交歓会が3年ぶりに相次ぎ行われ、お酒や食事が振る舞われる光景を久しぶりに目にした。感染対策をしながら住宅・不動産業界でも、徐々にコロナ前の社会生活を取り戻そうとしている。

 ▼今年は卯年。飛躍に向けて大きな期待もあるが、一方で、国内外の経済環境や紛争といった先行きが見通しづらい情勢だ。特に不動産業界にとって影響の大きい金利に注目が集まる。昨年末に日銀が大規模金融緩和を縮小したことで一気に利上げ機運が高まり始めた。1月の金融政策決定会合では長期金利の上限を維持したが、4月新総裁着任後の金融政策に注目が集まる。

 ▼金利が上がれば、当然ながら住宅販売現場は苦戦を強られることになる。今年の住宅販売は厳しいものになる可能性も出てきた。世界経済の後退観測が強い中で、日本も巻き込まれる公算が大きい。政府は企業に賃上げ要請をするが、実際に賃上げを実現できる企業は一握りにすぎない。中小企業の多くは従業員の賃金が上がらず、光熱費や日用品が高騰する中で、切り詰めて生活をしている。

 ▼日本は1億総中流ではなくなった。富める者と、そうではない者の差は拡大した。お金に困らない政治家たちは、その状況を理解できているのか。富める者からの支持さえ取り付ければよいと考えているのか。庶民が政治家にあらがうすべは選挙で意思表示することだ。今年は統一地方選挙の年でもある。