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大言小語 賃貸計画修繕のすすめ

 今年で3回目となる「賃貸住宅の計画修繕推進セミナー」が1月20日から始まる。国土交通省補助事業となる無料オンラインセミナーで、家主や賃貸事業者などを対象に行われる。計画修繕の投資メリット、長期修繕計画、点検・建物診断の重要性や、具体的な事例と進め方、リフォームやリノベーションによるバリューアップ効果などについて5人の専門家、講師が解説する。

 ▼国の調査によると、民間賃貸住宅は持ち家よりも腐朽・破損率が高く、特に築20年を超えると腐朽・破損率が急上昇していくことが分かっており、しかもこうした高経年貸家が20年後には約1.5倍に増加していくと推計されている。賃貸住宅管理業法が施行されたことや、賃貸住宅管理会社の家主への働き掛けなどにより、近年は計画修繕の重要性を理解する家主、計画修繕を実行している家主が増加し、一定の底上げがみられる。一方で、ほぼ半数の家主が「実施していない」「分からない」というのも実情で、依然、計画修繕をするべき家主の意識が変わっていないことも分かっている。

 ▼計画修繕に取り組まない最大の理由は、「自分の考えで実施しない」で、「入居率は変わらない」「必要なときで十分」という意識が根底にある。このセミナーは、特にこうした意識が高まらない家主にぜひ参加を促したい。適切な維持管理は家主の責務、万一の事故は家主の責任だ。2月28日まで行われる。