政策

国交省 都市局長インタビュー 天河宏文氏に聞く 「変化に柔軟な都市行政」 まちづくりDX、GXに意欲

 6月28日に都市局長に就任した天河宏文局長が9月6日、専門紙のインタビューに応じた。都市局まちづくり推進課長や大臣官房総括審議官を経て、7年ぶりに都市局に着任。天河局長は都市行政のプラットフォームとしての役割を受け止めた上で、「都市は場であり、時代に応じた変化が必要。これまでのコンパクトシティ等の取り組みに加え、DXやGX、国際分野にも注力する」と意欲を示す。

 まちづくり施策については同局が所管する盛土規制法の整備に触れ、「防災は国交省を挙げて臨む最重要テーマ。来年5月までの施行に向け、運用する地方公共団体の準備を促すためガイドラインを作成し、9月中に示したい」と話す。更に、3次元都市モデル「プラトー」も含めたデジタルインフラの整備を進めることで、新たなビジネスや施策の創出を目指す方針だ。

 スマートシティの社会実装化に向けた支援事業を含め、今後のまちづくりDX施策については「都市の大小に関係なく課題解決に参画できる。〝エリマネDX〟を進める市民側、人流測定を活用する事業者側の双方の芽を伸ばしていくことが重要」。これらは新たな都市再生に寄与するとし、新潟県最大級のイノベーション拠点施設「NINNO(ニーノ)」のスタートアップと東京・渋谷「QWS(キューズ)」の法律事務所や大学との交流を例示。「地方都市と大都市の資源をつなぎ、都市の競争力を高める。ハード面の支援に加え、仕掛けづくりは都市局としても新たな試み」とし、関係省庁等との連携を進める考えだ。また、今後の都市政策には多様な人材が求められるとし、広く社会の変化をつかむアンテナや経営センスの重要性を挙げた。

 32年前、建設省に入省した天河局長は当時、都市計画課で携わった生産緑地法改正の業務を自身の原点に挙げる。「GXにも関わる緑地、公園は官民が共に必要な支援を行うべきもの。まちづくりのグリーン化について政策の深掘りも検討したい」と述べた。