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三井不など8社、横浜市庁舎跡再開発着工 新たなエンタメやイノベ拠点 横浜スタジアムと連携、26年春の開業予定

 三井不動産を代表企業とする8社は、「横浜市旧市庁舎街区活用事業」(神奈川県横浜市中区)を着工した。25年12月に竣工・供用開始、26年春にグランドオープンを予定。JR関内駅前の立地で、横浜スタジアムと直結する。球場を生かしたまちづくりや、横浜市最大級の新たな産業を生む拠点、関内エリアで最大級の環境配慮型オフィスを整備するなど、新たなエンターテインメントとイノベーションの創出を目指す。

 同事業に関わる8社は三井不動産、鹿島建設、京浜急行電鉄、第一生命保険、竹中工務店、ディー・エヌ・エー、東急、星野リゾート。総延べ床面積約12万8500m2の大規模プロジェクトで、オフィス、大学、新産業創造拠点、ホテル、ライブビューイング、教育とエンターテインメントを融合したエデュテインメント施設、商業施設などを整備する。横浜スタジアム・横浜公園方面とはデッキ(横浜市による整備事業、施設の供用開始に合わせて開通予定)でつながり、回遊性を高める。

 タワー棟6~8階には、横浜市最大級の「新産業創造拠点」を設置。三井不動産が一般社団法人ステラ・サイエンス・ファウンデーションと連携し、国際的な活躍が見込まれる次世代の研究者の発掘・支援活動を行う。企業が注目する研究やアイデアをより具体化するためのコワーキングルーム、イベントスペース、ミーティングルーム、小規模オフィスを整備する。同施設は、育成する産業分野は特定しておらず、タワー棟11~33階のオフィスに入居する企業や大学(未定)とも連携する見込みだ。

 「新旧融合」を特色とし、8階建ての旧市庁舎行政棟を保存活用。星野リゾートは、この棟に国内外の観光客を受け入れ、新たな横浜探訪の拠点となる都市観光ホテル「OMO7横浜 by 星野リゾート(仮称)」(客室数約280室)を開業する予定だ。

関内エリアのにぎわい創出

 プロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」を有するディー・エヌ・エーは、開発エリアの中心に約3000m2の常設型ライブビューイングアリーナを計画。大規模スクリーンと高性能の音響設備で、野球のみならず様々なスポーツのライブビューイングを楽しめるだけでなく、音楽や飲食等も一緒に楽しめる新たなエンターテインメント空間・体験を創出する。

 タワー棟の3~5階には、約6800m2のエデュテインメント施設を計画。ファミリー層をターゲットとした新たなスポーツ体験などが行える施設とする。

 そのほか、関内エリアを起点に、街歩きや観光などを楽しめる地域内交通の導入を検討している。20年以降、周辺エリアをグリーンスローモビリティで周遊する走行実証実験を実施。交通量が多い大通りでの低速走行や、狭い道路での走行で安全性を確認し、乗客の乗降による交通負荷を検証している。