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大言小語 おとり広告

 昨年に実施したキャンペーン広告がおとり広告だとして、全都道府県に645店舗を展開する大手企業に消費者庁から景品表示法に基づく措置命令が出された。またしても不動産案件かと思いきや、否、誰もが知る回転寿司スシローで知られるあきんどスシローだった。秋と冬の2回にわたるキャンペーンで違反を繰り返したとして異例の措置が取られたという。

 ▼秋はキャンペーン期間中にもかかわらず、仕入れが足りずに目玉商品が大半の店舗で品切れ状態に陥った。冬も同じく仕入れが足りないまま広告を打ち続けた末に、またも品切れ店が続出したという。スシローの失態はこれにとどまらなかったようだ。今年に入ってからもメニュー表示と実際の食材の魚種、産地に偽りがあったことや、テレビCMを放映した地区の店舗で宣伝商品が販売されていなかったことなどが次々と明るみに出ている。

 ▼売っているはずのものが売られていない、本来売るべきものとは異なる、そもそも売る意思がない。不動産市場でも耳慣れたおとり広告の3大要因だ。1企業グループでそれぞれに当てはまる違反になっているから驚きだ。社内統制が機能不全に陥っていることも背景にあるのだろう。あいにく暮らしている地域の近くにはスシロー店がなかったためこれまでお世話になったことはないが、全国民に人気のチェーン寿司店だけに早く立ち直ってもらいたい。