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4月の主要住宅メーカーの受注金額 戸建て苦戦も賃貸盛り返す 増減交錯し方向感乏しく

 4月の主要住宅メーカー受注速報(金額ベース)は、前年同月と比べて二桁増減が交錯する方向感の乏しいものとなった。大幅な伸びとなった旭化成ホームズは、集合住宅(賃貸住宅)の伸びが全体水準を押し上げた。一方、戸建て住宅は住宅展示場への来場者数減少などにより、マイナスが目立つ。

 積水ハウスは、受注が前年同月を上回り、「(顧客が)戻っている」と評価。戸建て住宅、賃貸住宅とも増加した。戸建て住宅に関しては、大空間「ファミリースイート」や次世代室内環境システム「スマートイクス」など多様化するニーズに対応する提案が受け入れられた結果としている。賃貸住宅はホテルなど非住宅が苦戦するものの、ZEHの推進が奏功した。

 大和ハウス工業は、4月から契約状況に変更。戸建て住宅については、展示場来場者数減や商談長期化などの影響で二桁減。一方、集合住宅はオーナーとの対面での商談が可能となり、契約が進み相続対策などの需要を取り込み二桁増となった。

 旭化成ホームズは、金額が大きい集合住宅の受注時期が平準化し、戸建て住宅もプラスになったことから大きく伸びた。ただ、展示場来場者数が前年同月と比べ28%減となり、価格や金利などの先高感による需要前倒し懸念などから5月以降も楽観視できる状況ではないと見ている。

 住友林業は、戸建て注文住宅においてウェブ経由の資料請求増加やZEH化による1棟単価が上昇しているものの、展示場来場が減少したことなどにより、マイナスだった。好調な賃貸住宅や、まん延防止措置の解除などで商談が進んだリフォームは増加したが、全体では戸建てのマイナスが響いて減少した。

先行き不透明感影響も

 三井ホームは、前年同月が93%増とハードルが高かったことに加え、4月の集客が少なかったこと、商談の長期化などが影響し、二桁減となった。また、土地なしの一次取得者への土地手当てに時間がかかっていることや部資材価格高騰や先行き不透明感から契約を取りやめる動きも出ていると言う。

 パナソニックホームズは、都心部での多層階を中心に伸びたことから、集合住宅がプラスとなった一方、多層階が苦戦した戸建て住宅は低層階が下支えしたものの、前年同月比ではマイナスとなった。商談の長期化なども影響した。