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大言小語 最終ステージ

 片親の自宅介護が本格化し早くも5年が過ぎた。昨春はショートステイ先で新型コロナウイルスの集団感染に巻き込まれてしまい、そのまま緊急隔離入院を余儀なくされた。もう帰宅できないのかもしれないと一度は腹をくくったものの、幸運なことに重症化を免れ、無事帰宅が許された。

 ▼要介護認定の更新時期を控えたこの春は、認定調査員と本人、家族との面談があった。現在の介護度4から現状維持か等級アップかの調査面談だったため、ケアマネージャーも同席してくれて的確に助言をして支えてくれた。恐らく今回の更新で要介護5の最終ステージに上がることになりそうだ。

 ▼振り返れば介護度認定も紆余曲折があった。認知症と身体機能がそれほど悪化していない当時、早めに準備を始めておこうと介護申請し、初めて要介護2の判定をもらった。その後、更新を怠ったため再申請となり、再判定は要介護1にダウンしてしまったこともある。90代に入ってからは年を追うごとに体力、気力は衰え、徐々に介護度も上がっていった。

 ▼要介護度が上がると利用できるサービス等の選択肢が増える上、4等級以上になると特養に入所しやすくなるメリットもある。しかし、それは老化や病気が進行していくことの裏返しであって、素直に喜べることではない。同時に最終ステージのその先の階段がなくなることは目標を失うようで心もとない。