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大言小語 楽をする人材

 楽をすることは好きだろうか。私は好きだ。楽をするのを悪と捉える人もいるが、楽をしたいと思うのは人の本能なのだろう。機械やコンピュータが発展したのも、人ができることを置き換えて楽をしたいからだ。言い換えれば、人類の発展は、楽をするために懸命に頭を使って努力した結果とも言える。

 ▼人生を楽にするために大企業に入りたいと思う人は多いのだろう。一生安泰とは言えなくでも、転職やセカンドキャリアを築く上で有利に働くと考えるのは自然なことだ。実際、大企業は仕事が楽だ。どういう意味か。

 ▼大企業では、優秀な人材や組織がしっかりとしている。少々雑でもそれなりのアウトプットは出てくる。それを実感したのは、社会人大学院で大企業や外資系企業の出身者と一緒に演習をしたときだ。お互いの考えをパワポなどでまとめていくのだが、大企業出身者は素早く、分かりやすくうまくまとめていく。このときの演習チームの仲間のおかげで学位が取れたと思っている。こういう人達と仕事ができれば、楽に仕事ができるとも思えた。

 ▼大手企業が若手をスタートアップ企業に送り込んでいる。人材も組織もできあがっていないところへ飛び込んで、頭を使い、努力して自分にとって楽な環境を作り上げていく。

 ▼大企業の発展も楽をしたいために、努力する人材がカギを握っている気がしてならない。