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不動産領域にも〝メタバース〟 賃貸営業・住宅販売・都市開発など    

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(イメージ図①)仮想空間にアバター(分身)が登場して接客営業の実証実験を行った。 (イメージ図②)KDDI共同企業体と大阪府市が協力し、大阪の新市街を仮想空間内で創出した。 (イメージ図③)仮想空間内のリゾート開発で日本建築を配置していく。
 企業が一方的に情報発信する「1.0」、消費者と双方向の「2.0」に続き、次世代のインターネット環境は、「Web3.0」(ウェブスリー)と言われる。新しい概念の下では、3次元仮想空間〝メタバース〟(今週のことば)が情報集積の場となる。3月末にメタバース推進協議会(代表理事・養老孟司東京大学名誉教授)が建築家・隈研吾氏を顧問に迎えて設立されるなど、注目が集まっている。

 

 メタバースは不動産領域でも、企業各社で営業活動や商業施設運営での集客などの場面で検討されており、または活用が始まっている。

営業活動で テンアップ

 バーチャルタウン『DXタウン』を展開するテンアップ(横浜市西区)は、不動産賃貸業界での『メタバースの実証実験』を行い、顕著な効果があることを2月までに確認している。同社は、メタバースの場で仕事を実際に行えるのかを調べるため、『メタバースお仕事100個挑戦プロジェクト』に着手。今回、不動産賃貸領域でのリアルな対面のみの営業活動、会議システムを活用したオンライン営業活動、VR(仮想現実)ツールを使った営業活動を比較分析した。

 メタバース内の実験は、顧客と営業スタッフをアバター(分身)で登場させた。顧客はCG(コンピューターグラフィックス)や360度写真で室内や居住環境も確認。その後、物件を選び、来店して物件内見、契約に至るフローを実施した(イメージ図①)。

 その結果、平日のオンライン商談が増えた。土日に集中しがちだった初回面談が平日で2.7倍となり、すぐに申し込みにつながったという。

 同社は、「リアルな体験よりも、顧客は楽しんでいる。サイト訪問者がサイトから離脱する前に食い止められる効果がある」と分析している。

大阪の魅力発信へ KDDIなど 雇用も創出

 KDDI(東京都千代田区)を中心としたKDDI共同企業体は、大阪府(吉村洋文知事)、大阪市(松井一郎市長)と共に、都市連動型メタバース『バーチャル大阪』の本格展開を2月28日から始めた。25年に開催される大阪・関西万博に先駆けて、道頓堀などの大阪市内をモチーフとした「新市街」を仮想空間内に出現させた。大阪の都市の魅力を国内外に発信していく。

 「新市街」エリアでは道頓堀をモチーフに、大阪ならではの空間や大阪城、梅田スカイビルなど、同市内を代表するランドマークを配置した(イメージ図②)。広場ではビルを登れるアスレチックなど仮想空間ならではの新しいアトラクションを体験できる。KDDIが手掛けた『バーチャル渋谷』との間を自由に移動できるワープゾーンを設け、2つの空間を往来できる。

 今後は、仮想空間内の施設で音楽ライブやアニメとのコラボレーションを企画。実際に買い物体験できるバーチャル商店街を開設する。KDDIでは新たな働き方の提案として、多言語でガイド可能なスタッフや、都市連動型メタバース専門コンシェルジュの雇用など、メタバースの新しい活用方法も検討する。

〝アキバ〟を再現して HIKKY・JR東

 HIKKY(東京都渋谷区)は、21年に同社と業務提携したJR東日本、ジェイアール東日本企画と協業し、独自の仮想空間『Virtual AKIBA World』(以下・VAW、バーチャルアキバワールド)を3月25日に開設した。VAWは、世界的なコンテンツ集積地でもある、東京・秋葉原の駅とその周辺の街の姿を再現している。

 アプリのダウンロードの必要がなく、スマートフォンから手軽に現実空間と仮想空間の双方を駅や車両の間をつないで体験できる。現実空間の場から仮想空間へQRコードなどを介して遷移する。

 HIKKYはNTTドコモとも21年に資本・業務提携している。様々な企業と協力しながらコンテンツを交えた共創で、VAWを「ビジネス創発拠点」として発展させる。

バーチャルモデルハウス  ジブンハウス  メタバース見据え 

 JIBUN HAUS・(以下・ジブンハウス、東京都港区)は、ゲーム・アプリ開発のスパイラルセンス(東京都渋谷区)と協同し、メタバース時代を見据えた「バーチャルモデルハウス」を3月15日に開発した。仮想空間上で、新たな暮らしの疑似体験ができる。今後、加盟パートナーの工務店へ提供を展開して、一般の利用者が各店の端末で体験できるようにする。

 3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)モデルの高品質なバーチャルモデルハウスを開発した。ジブンハウスの規格住宅を内部まで再現。内部の視点は、成人身長の高さに加えて、子供や高齢者の目線にも設定できる。ゲームコントローラーで家の内外を自由に歩き回り、照明を点灯、蛇口から水を出す、コンロを点火、壁紙や床材の張り替えなどができる。

 今後は、住宅の3DCGモデルをインターネット上で販売する「メタバース住宅事業」の展開を視野に入れる。メタバース内での家づくりを実現すれば、利用者は場所や時間を選ばずにメタバース空間でジブンハウスの家にアクセスできる。遠くに住む家族や友人と一緒に過ごすなど、新しい暮らしの体験を提供する。

リゾート開発を推進 ピクセル  日本建築で構成

 ピクセルカンパニーズ(東京都港区)は、同社グループのピクセルソリューションズ(同住所)と共に、メタバース空間の「Decentraland」内で、複合リゾート施設などで構成していく『メタ・リゾートTOKYO』(仮称)の開発プロジェクトを推進している。先行して、同プロジェクトでは初となる建築物の『PIXEL Decentraland Branch』(仮称)を3月17日に開設した。

 仮想空間内で「東京」をイメージして、複合リゾート施設などを建設する。新たな雇用や経済活動も生み出していく。建物は、海外の来訪者にも分かりやすい形で、日本文化に触れられる素材を取り入れる(イメージ図③)。

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