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大言小語 コロナに負けない心

 案の定、コロナ感染が急拡大してきた。日本では政府も国民も昨年末にかけて気を緩めてしまった結果と思われる。東京では正月早々「東京大神宮」でクラスターが発生するなどやはりコロナへの油断は禁物である。

 ▼一方、住宅市場はコロナ収束後こそ要注意という見方がある。というのも昨年後半から続く売買市場の堅調はコロナ禍における〝コロナ貯蓄〟によって出現した余剰資金(21年5月末時点で約30兆円?)が住宅市場に流れ込んでいるからとの指摘がある。コロナ収束はその終焉を意味するからだ。

 ▼まさに「禍福は糾える縄の如し」。好調の時こそ不調に備えるべきだし、不調の時にも希望を失ってはならないというのが一般的教訓だが、時代の空気としては「一寸先は闇」というべきか。今年の正月は我が家でも少し気を緩め、5歳になる孫が2年ぶりに遊びに来た。その成長ぶりに目を見張ったが、家の中を探検して動き回る好奇心はいっこうに衰えない。子供にとっては一寸先も遠い先もない。ただ興味のままに動く。大人から見るとそこがなんとも瑞々しい。

 ▼今日や明日のことにとどまらず、遠い先のことまで考えてしまうのが大人の分別というものか。しかし予定調和で動くことは本当に生きることなのだろうか。大人にも動物たる人間が身に着けるべきときめきや、瑞々しい感性が必要ではないか。コロナで心を萎縮させないためにも。