総合

大言小語 変わらぬ風景

 日を追うごとに、冬空に変わっている。緊急事態宣言が明けて、街中では徐々に賑わいを取り戻しているようだ。特にテナント入居の飲食店などは、営業時間などで制約がなくなり、ようやく通常通りに賃料を支払えると、胸をなでおろしているのかもしれない。

 ▼電車内は以前ほどではないものの、朝夕に通勤・通学者で多少の混雑がみられる。相変わらずに、「足を組んだり、投げ出したりすると、ほかのお客様の迷惑になります…」という〝効き目〟のないアナウンスが車内で空しく流されている。

 ▼オフィスでは社会状況の変化の後押しを受けて最新のITツールの導入が広がった。さまざまな業務がデジタル化され始めている。不動産業界では、電子書面交付の解禁が目前に迫って、電子契約サービスなどの操作方法に慣れておく必要がありそうだ。

 ▼セミナーの聴講は、最新サービスを知る方法の一つ。ただ、視聴後に困るのは、そのITサービス提供企業からの「営業電話」がしつこいこと。セミナーでは、「情報共有が容易で、業務を効率化できる」とうたうが、営業電話に対応させられて業務で非効率を強いられるのは皮肉なもの。

 ▼明確に断っているのに、同じ企業から電話が掛かる。営業担当者同士で訴求先リストを共有していないのだろうか。業務のデジタル化が進展しても、先進するIT企業であっても、昔ながらの営業スタイルは〝変わらぬ風景〟だろうか。