政策

国交省 新設住宅着工戸数・7月 好調持ち家が9カ月連続増 コロナ契機の新需要も下支え

 国土交通省は8月31日、7月分の建築着工統計調査報告を発表した。それによると、新設住宅着工戸数は前年同月比9.9%増の7万7182戸で、5カ月連続の増加となった。持ち家、貸家、分譲住宅のいずれも増加。直近10年間では下から4番目の水準となった。

 新設住宅着工床面積は635万2000m2(前年同月比13.1%増)で、4カ月連続の増加となった。また、季節調整済年率換算値は92万6000戸(前月比6.9%増)で、3カ月ぶりの増加となった。

 戸数の内訳を見ると、持ち家は2万6071戸(前年同月比14.8%増)で9カ月連続の増加。これは直近10年間では上から5番目の水準となる。特に民間資金による持ち家が2万3682戸(同16.1%増)と9カ月連続で増加しており、同省では「前年からの反動増に加え、コロナ禍を契機とした新しい住まい方、新しい需要が下支えしている」と説明する。グリーン住宅ポイント制度や住宅ローン減税のための契約期限が近づいてきたことも含め、「事業者からは足元の販売で活用されているという声を聞く。今後も駆け込み需要につながるのではないか」(同省)としている。

 また、貸家は2万9230戸(前年同月比5.5%増)で5カ月連続の増加となった。このうち公的資金による貸家は2694戸(同5.2%減)と2カ月連続の減少となったものの、民間資金による貸家は2万6536戸(同6.8%増)で5カ月連続の増加となり、貸家全体の戸数を押し上げた。

戸建ては高水準

 分譲住宅は、全体では2万1480戸(前年同月比11.0%増)で、先月の減少から増加に転じた。このうちマンションは9117戸(同9.2%増)で反転増となり、直近10年間では上から3番目の水準。一戸建ては1万2242戸(同13.1%増)で3カ月連続の増加となり、直近10年間では上から2番目の高水準となった。同省では分譲住宅について「土地の仕入れ件数の増加と販売の好調さがある」と説明し、回復の兆しが見えてきた点を指摘した。