森ビル×NTTドコモ XRでリアルと遠隔の新体験 商業施設で実験、街づくりに反映も

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ARで施設内に情報やコンテンツを付与
 森ビルとNTTドコモは7月9日、連携して商業施設における〝XR体験提供〟の新たな実証実験を開始した。現地におけるAR(拡張現実)や、遠隔地からのアクセスによるVR(仮想現実)を用いて、広告やゲーム、施設情報などをユーザーに提供し、物理的な空間にとらわれない新たな体験価値の創出を図る。

 今回の実証実験は東京・お台場で森ビルが運営する商業施設「ヴィーナスフォート」を会場とし、週末の7月9日~11日と16日~18日の間、一般来場者向けの体験イベントとして実施。3月に行われた第1回実証実験ではARのみだったところ、今回は内容を拡充し、遠隔地からのVR体験なども盛り込んだ(一般来場者向けはARのみ)。

 実験の内容は、XR(ARやVRなどの総称)技術を用いて商業施設内の体験に新たな要素を付加し、運用面のほか顧客満足度の向上や施設利用の円滑化、購買行動の促進といった要素を検証するもの。NTTドコモが開発中の「XRコンテンツ開発ツール」を導入しており、高精度な位置測位やユーザー間のステータス同期、コンテンツの多層表現といった機能を実装している。

 具体的なコンテンツとしては、まず施設内の商業店舗に、タブレット上で広告などのAR付加情報を表示。ユーザーの嗜好(しこう)に応じて「ファッション」「グルメ」などのジャンル別に表示情報を切り替えられる。

 また、多人数参加型のゲームコンテンツも用意。施設内を回遊して情報やアイテムを集め、他ユーザーと協力して敵と戦うというシナリオで、現地のARユーザーと遠隔地のVRユーザーが共に参加できる仕様だ。このほか、トイレや通路等の混雑状況、ビーコン使用による子供の位置表示といった実用情報の表示機能も持たせた。

街づくりへの展開目指す

 こうした取り組みの動機として、森ビルタウンマネジメント事業部新領域企画部の杉山央課長は「デジタルとリアルの融合、相乗効果により、これまでにない街づくりを目指す」というビジョンを語る。XRの技術により物理的な〝街〟にデジタル要素を導入し、データの蓄積を進めて新たなコンテンツやビジネスの創出を促す考えだ。

 基本的な方向性としては、まず商業施設を中心としたアセットの魅力向上が一つの目的となるが、広告によるBtoB事業や購買行動のプラットフォーム化によるBtoC事業など、単独での収益化も視野に入れる。また将来的には、今回の実証実験結果を踏まえ、街単位・エリア単位でXRコンテンツを導入し、街の様々な施設や機能も連携して複合的なシナジー創出も図っていく考えだ。

 杉山課長は「実験で分かったのは、デジタルは物理的な手法よりも容易に、また多様な価値を〝場〟に付加できるということ。まだ試行錯誤の段階だが、このノウハウを生かして、〝街の磁力〟を高めるため便利で快適、かつ歩いて楽しい街づくりを目指していきたい」と方針を述べた。

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