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19年度並み水準回復へ 主要住宅企業の21年度受注計画

 主要住宅メーカーの21年度受注計画がまとまった。昨年度下期からの受注回復傾向を継続させ、コロナ前の19年度並みかそれを上回る受注を獲得する計画だ。商品面では、新型コロナで広い住宅を求める大型化と空気質や環境配慮などニューノーマル対応を訴求。また、営業活動のウェブ対応が浸透しコロナ禍でも受注機会を確保しつつある。4月の受注額速報でも回復傾向が顕著で、年度を通じて好調さを維持する見通しだ。

 積水ハウスは、数値ベースでの今年度(22年1月期)の受注計画を公表していないが、戸建て住宅について、上期は次世代室内環境システム「SMART―ECS(スマートイクス)」を打ち出し、受注増を目指すとしている。下期は住宅の部屋数の増加や、延べ床面積拡大傾向に対応するために、「ファミリースイート」など商品力や生活提案などを訴求し、環境対応などでシェアを確保していく考えを示している。戸建て住宅は好調継続、賃貸住宅も回復傾向と見ている。

 大和ハウス工業は、戸建住宅事業において米国の好調さに加え、国内での受注も堅調。4月受注額速報で前年同月比45%増となっており、「安定的に加速していくのではないか」(芳井敬一大和ハウス工業社長)とし、通期の目標を上回る可能性を示唆した。賃貸住宅事業は、4月受注が62%増となっており、今後回復していくと見ている。

 旭化成ホームズは、戸建系、集合系共に大幅な受注増加を計画している。4月受注は一昨年の水準を上回るなど堅調で、今年度の受注に関しては「19年度の受注に近づくのではないか」(川畑文俊旭化成ホームズ社長)と期待する。また、展開エリアに沿った商品展開や住宅の大型化に積極的に対応することで、コロナによる集客への影響を最小限に抑えていきたいとしている。

 住友林業は、慎重な受注計画となっている。ただ、今年度(21年12月期)は、住宅ローン減税延長やグリーン住宅ポイント制度など政府による取得支援に加え、ウェブによる営業やニューノーマル対応商品などの取り組みを徹底することで、計画を上回る受注を目指す。積水化学工業住宅カンパニーは、ウェブ集客やオンラインセミナー、ニューノーマル対応商品の訴求などで19年度並みの受注水準回復を目指す。