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大言小語 育てることの難しさ

 せっかくのゴールデンウイークも、緊急事態宣言などのせいであまり外出できなかった。本来なら、プロ野球観戦など最高だ。また、5月は野球もいいが、競馬もいい。日本ダービーなど大レースが目白押しだ。そんな競馬界に嫌なニュースが流れた。

 ▼ばんえい競馬で馬の顔を蹴るなどの虐待。持続化給付金の不正申請。そして、超一流ジョッキーが起こした他騎手への暴行――。当方が特に問題だと思ったのが、最後の出来事だ。前のレースで自分の馬の行方をさえぎられ不利を受けたことを根に持ち、その後のレース前の返し馬(本番前の足慣らし)中に、そのジョッキーの騎乗馬にいわば幅寄せ行為を行ったのだ。

 ▼騎乗停止実質4日間の処分を受けたが、「甘い」と言うのが元騎手の藤田伸二氏だ。馬を使って幅寄せ行為をするのは、「馬に食わせてもらった」者として恥ずべき行為だという。一時の怒りで自分と相手の馬を危険な状態に陥れるのはプロとは言えない。

 ▼もっとも、後輩を指導するというのは難しいことだ。当方も昔、新人にいわば下働きのような仕事をさせた。もちろん、慣れてくれば、大きい仕事を任せるつもりだったが、異動となった。そのときの「このままだったら辞めようかと思ってたんですよ」との彼の言葉は今も心に残っている。人を育てることの難しさ、古今東西言われているが、今でも正解は分からない。