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インフォマティクス 設備点検デジタルで 画像・地図データ融合

 建築・設計向けCADやCGシステム、GIS(地理情報システム)を開発・提供するインフォマティクス(川崎市幸区)は、レーザー光で検知して距離を測定する「LiDAR」や360度画像、地図情報を組み合わせた、設備点検など向けサービス『Glove』を開発した。現地の対象物を3次元データでデジタル空間に可視化させ、設備保全業務の台帳整備や設備障害調査の建物設計などを支援する。

 仕組みは、車両に機器を設置し、360度パノラマ画像データやLiDAR計測による点群(3次元座標値)データ、GPSで走行位置のデータを取得。得られたデータをソフトウェアで計測・解析する(写真)。取得データは、加工処理の外注や、変換せずに、そのまま活用できる。現地空間を3次元デジタルデータで組成し、離れた場所からの計測や、異常個所の発見といった保全業務を支援する。

 4月14日にオンラインで実施したデモンストレーションでは、電柱・電線を対象に同サービスの特長を紹介した。 LiDARや360度画像、地図情報を同時再生し、端と端の2点をクリックしただけで高さや長さ、傾き、緯度・経度などを計測した。背景の中から対象物だけを抽出した解析も行い、仮想電柱を生成して実際の画像に挿入した。

 同サービスは、仮想空間と現実世界を融合する〝デジタルツイン技術〟でスマート保守点検を実現する。施設や物件管理、設備保全の業務効率化に期待できる。同社サービスは行政やインフラ企業、住宅メーカー、ゼネコンなどの導入実績があり、一層の技術向上で幅広い分野に対応していくという。