月までの距離は約38万キロメートル。どうすれば、月に行けるだろうか? この距離を移動すれば月にたどり着けるはずだ。問題は、どうやって移動するかだ。走れるような距離ではないから、早く移動できる高速ジェット機に乗ればどうだろう。時間をかけ、燃料を補給すれば38万キロを飛ぶことは可能だろう。
▼では、ジェット機を操縦するパイロットになるための努力をすれば、月に行くことはできるのだろうか? 地球を何周もすることになるかもしれないが、決して月にはたどり着けない。
▼月に行くには、地表の距離を移動するのではなく、月に向かって移動する必要がある。そのためには、ロケットが必要で、ロケットに乗る宇宙飛行士になればいい。月に行くための努力は宇宙飛行士になるための努力が必要だ。
▼ここまでの話で問題なのは何か。それは、目標を履き違えていることだ。月に行くために、月までの距離のみに着目して目標を設定したことに誤りがある。当たり前だが、月に行く方向を考えていない点が、滑稽な努力をすることにつながる。
▼新型コロナ対策も似たようなところはないだろうか。目標を履き違えていないだろうか。目的を新型コロナの収束ではなく、国民や利害関係者の納得感を得ることにおいていないだろうか。決して月に行けないという滑稽な努力はしていないと言いきれる結果になっているだろうか。
