総合

大言小語 将来を見通す力

 感染状況が一向に好転しない。それどころか増加の一途をたどっている。専門家は以前から「爆発的な感染拡大」「東京も大阪のようになる可能性がある」と政府に警告しているが、その対応は迅速とは言い難い。

 ▼コロナ禍では〝専門家〟と呼ばれる人たちが連日のようにメディアに登場している。テレビなどでそのコメントを聞いていると、少なくとも政治家よりは事態を重く見ているためなのか、将来への懸念が強く伝わってくる。政治家としては、国民をむやみに不安がらせることはしたくないということなのか。

 ▼住宅・不動産業界にも様々な資格を持つ専門家と言われる人たちがいる。中でも今、最も注目されており、今後の活躍が期待されているのが「賃貸不動産経営管理士」で、賃貸住宅管理業界初の国家資格者として位置付けられる。今年6月に全面施行される賃貸住宅管理業法によって制度化されたものだ。

 ▼コロナ関連の専門家の人たちのコメントを聞いていて感じたことは、将来を見通す力だ。不安を隠すことなく、もちろんあおるのでもなく、専門家として、できる限りの分析を行って国民に提示している。住宅・不動産業界の専門家も同じで、自然災害をはじめとした様々な社会構造の変化で、不動産市場の不透明性が増している今こそ、未来を予測し、消費者に的確なアドバイスができる能力が求められている。