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大言小語 1年間で何がやれた

 昔であれば、小学校などの入学式の際に満開となっていた桜が、今年は既に散り始めている。残念ながら、入学式では葉桜が見守ることになるか。しかし、コロナはまだ許さない。再び、感染状況が予断を許さなくなった。

 ▼大阪市など6市に、まん延防止等重点措置が適用された。飲食店への時短営業措置が行え、違反すると過料を課すことができる。ただ、本来は「ステージ3(感染急増)」が適用の目安なのだが、既にステージ4の数値になっている市町村があるのが現状だ。緊急事態宣言の再々発出が必要という声も多い。

 ▼そもそもこうした宣言や措置はなんのために必要なのだろう。一番の目的は感染拡大を食い止めている間に、感染症への対応、治療薬の開発、検査の拡大などで実態の解明につなげることだろう。その意味で、日本はかなり遅れている。対応策として有効なワクチン接種については、3月31日現在で累計で100万回となったが、これは米国の100分の1以下で、遅れているというEUのイタリアの約10分の1だ。

 ▼また、現在猛威を振るう変異株についても、島津製作所がPCR検査時に同時に判定できる設備を開発したが、そもそもの検査数が依然、他国に比べて少ない。1回目の緊急事態宣言発出から1年、いったいこの国は何をやっていたのだろう。国民の自制にしか解がないのなら、存在価値が疑われてもしょうがないだろう。