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内幸町エリア再開発 三井不など10社まちづくり合意 37年度の完成目指す 帝国ホテル建て替え 2000億円超で

 三井不動産、NTT都市開発、第一生命、帝国ホテルなど関係権利者10社は、「内幸町一丁目街区」(東京都千代田区内幸町一丁目)のまちづくりの方針で合意した。帝国ホテル東京の建て替え計画を含む再開発計画で、街区全体の完成は、37年度以降を予定だ。

 同街区の全体計画は約6.5ヘクタールで北地区(約2.4ヘクタール)、中地区(約2.2ヘクタール)、南地区(約1.9ヘクタール)に分け、ホテルやオフィス、商業施設、ホール、産業支援施設、ウェルネス促進施設などを建設する。このうち帝国ホテル東京の建て替えは、北地区で三井不動産と帝国ホテルが実施する。北地区においては、帝国ホテル東京の新本館を31~36年度に、オフィスやサービスアパートメントなどを含む新タワーを24~30年度に完成させる予定だ。総事業費規模は、約2000億円から約2500億円程度を見込む。今回の事業推進に伴い、三井不動産は4月から日比谷街づくり推進部内に内幸町プロジェクト室を設置する。

 また、帝国ホテルは、現在のタワー館を解体後、敷地を分筆した上で、その土地の共有持分の一部を三井不動産に譲渡し、共同で新タワー館を建設する。また、現在の本館土地は、ホテル用途の新本館を建設して帝国ホテルが所有、運営する。

 なお、中地区の完成は29年度、南地区の完成は28年度をそれぞれ予定している。

3つのまちづくり方針

 一方、10社が合意したまちづくり方針の主な内容は、(1)日比谷公園とつながる道路上空公園整備など駅・まち・公園一体の都市基盤整備による開かれた街区の形成、(2)次世代都市OSの検証など最先端技術等を活用した国際ビジネス交流拠点の整備、(3)脱炭素社会実現に向けた新エネルギーシステムの導入など高度防災・環境都市づくり、となっている。

 同街区および「有楽町一丁目街区」で構成される日比谷・内幸町エリアでは、東京都・千代田区・地域関係者にて11 年に「日比谷エリアまちづくり基本構想」が策定され、同街区は19年に国家戦略特別区域会議にて東京都の都市再生プロジェクトに位置付けた。関係権利者10社は「日比谷地区(内幸町一丁目街区)まちづくり勉強会」を通じ同街区のまちづくりについて議論を進めてきた。

 今後、同街区と周辺エリア全体の価値向上・魅力向上を目指して協議を進めていくとしている。