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大言小語 年齢関係ない「知力」

 30年以上前のテレビ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を、たまたまネットで見る機会があった。当時、視聴率30%を超え、今のクイズ番組に少なからず影響を与えた一般視聴者参加型の番組だ。第1問は、自由の女神に関する○×クイズが恒例になっていた。

 ▼見たのは人気が高かった時代の1987年。第1問は後楽園球場で2万人近い参加者を集めて出題されたが、そのときに参加上限年齢に近い人たちを集めた「敬老団」が登場した。参加年齢の上限は45歳。今なら編集子は「敬老団」にすら入れない。

 ▼20年における日本の総人口の年齢中央値は48.36歳。80年代は30代だった。「ウルトラクイズ」を勝ち抜いた参加者もほとんどが20代で、10代も珍しくなかった。若い人が多く、活気ある日本の姿を図らずも見ることになった。

 ▼人生100年時代、定年も延長され、同じ年齢なら今の方が若々しいのも事実。「ウルトラクイズ」に参加した20代は今見ると10歳は老けて見える。今、ダイバーシティを多くの企業が実践している。性差別に焦点が当たりがちだが、年齢も同じだ。年齢に関係なく、個人の能力に応じた処遇が求められている。

▼「知力、体力、時の運」は番組のキャッチフレーズだが、「知力」と「時の運」に年齢は関係ない。「時の運」はともかく、「知力」を磨けばチャンスが与えられる社会の実現が求められている。