社説 コロナ対策の税制改正議論が大詰め 来年は挑戦後押しする議論期待

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 来年度の税制改正議論も大詰めを迎えている。今週末にも、与党の税制大綱としてまとまる見通しだ。税制改正は、国会で多数派を占める与党の議論が、そのまま政府案に反映される。秋に各業界団体が与党や所管官庁に税制改正の要望の陳情を行うのは、そうした事情がある。

 このほど、住宅・不動産各社の3月期中間決算がまとまった。大きな流れとしては、住宅とオフィスが収益を下支えしたものの、ホテルや商業施設が一時休業や店舗賃料支援を余儀なくされたため、業績悪化につながったというものだ。住宅は、自粛期間空けから集客が戻り、分譲住宅販売や注文住宅受注に回復傾向が見られた。在宅勤務やテレワークの浸透で広さが見直され、郊外において新たな住宅需要が生まれるなど底堅さを見せている。一方、オフィスは、新規供給に加え、賃料増額改定も乗り切り、安定的な収益を確保した。空室率上昇が懸念されながらも、今のところオフィス市況全体に大きな影響が出ていない。この2つは、コロナ禍の住宅・不動産企業を支えている。

 住宅・不動産業界にとって税制が業績に与える影響は大きい。企業の中間決算がおおむね出揃う時期と、与党への業界要望が活発化する時期が重なるが、各社の業績を横目に見ながらの要望活動となる。来年度の税制改正における住宅・不動産業界の要望のうち、固定資産税の評価替えの特例措置と住宅ローン減税の延長は、大きな柱となっている。幸い、この2つの要望については税制大綱に盛り込まれそうだ。

 固定資産税の負担軽減は、テナント家賃支援などを行った不動産オーナーを支えるものとなるだろう。また、住宅ローン減税の延長は、新型コロナの影響を受けながらも根強い需要がある国民の住宅取得意欲を持続する効果が期待できる。

 新型コロナが住宅・不動産に大きな影響が及んでくるのは、これからだ。今回の税制改正大綱での手当は、あくまでも善後策だ。ニューノーマルに対応した住宅・不動産のあり方への支援策が、次の税制改正での焦点になってくる。今から論点整理をはじめ、来年の議論に備えるべきだろう。テレワークの普及に伴う都市と地方のあり方の議論を踏まえて、二地域居住への支援に加え、企業によるサテライトのオフィス設置支援などは検討課題となる。

 また、多くの人が不便を感じている在宅勤務は、それに適したリフォームへの支援税制も必要になる。更に、不動産取引における重要事項説明の非対面化に伴う、中小事業者に対するシステム投資への税制支援も俎上にのぼるだろう。

 今回は突発的な危機に対応するための税制改正という面が強かったが、来年は住宅・不動産業界の新たな挑戦を支援する税制のあり方の議論を期待したい。

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