政策

自民党税調小委員会 「マル政」項目審議進む ローン減税、固定資産税対象に

 11月30日に開催された税制調査会小委員会を皮切りに、自由民主党で21年度税制改正に向けた審議が佳境に入っている。12月2日と3日は、両日とも今回の税制改正の焦点となっている「マル政」(政策的検討を要する問題)項目について審議。論点の整理や意見交換などが行われた。

 11月30日の会合では、個別要望項目についてそれぞれ可否等を精査する「マルバツ審議」を実施。同日の段階で実現または却下が明確に示された項目は少ないものの、特に慎重な検討の場が求められる「マル政」項目が判明。その中には、住宅・不動産関連業界団体が強く要望する「住宅ローン減税の適用期間の延長および要件緩和」と「固定資産税の評価替えに係る負担軽減措置」が盛り込まれた。

 12月2日の審議では、住宅ローン減税に関する検討を実施。適用期間については、コロナ禍における経済対策の観点から、新型コロナウイルス感染症対策として設けられた特例措置を更に延長する案が提示された。また要件緩和については、現行50m2となっている床面積要件の引き下げを検討。現行制度における支援の考え方や、ほかの住宅政策との整合性が焦点となった。

 同時に、会計検査院からの報告や財務省による調査などを踏まえ、現行は合計3000万円となっている所得要件の水準についての見直しも示唆された。

 続いて同月3日には、固定資産税負担について審議。負担水準の均衡化へ向け、同措置を3年間継続するよう提案した上で、同感染症の拡大による経済活動等への悪影響を踏まえ、21年度に限り事業者支援に向けた特例措置を検討すべきとした。

 他方、現行の据置特例措置の課題についても言及。固定資産税の負担調整措置については、引き続き検討すべきと念を押した。

 このほかの項目について見ると、「買取再販に係る不動産取得税特例」「Jリート等が取得する不動産に係る不動産取得税等特例」「都市再生緊急整備地域に係る課税特例」など延長要望の多かった項目については、12月3日現在「検討し後日報告」という扱い。また「災害ハザードエリアからの移転促進のための特例創設」や、「マンション建替え円滑化法」「都市計画法等」の改正に伴う各措置などについても引き続き検討することとした。