政策

新設住宅着工・8月 分譲戸建て大幅減、1万戸割れ

 国土交通省は9月30日、8月分の建築着工統計調査報告を発表した。新設住宅着工戸数は前年同月比9.1%減の6万9101戸で、14カ月連続の減少。8月としては、リーマン・ショックの影響で着工が長期低迷した09年8月の5万9749戸(同38.3%減)以来の低水準。

 新設住宅着工床面積は546万6000m2(同14.6%減)で13カ月連続の減少。季節調整済年率換算値は81万9000戸(前月比1.0%減)で、前月の増加から再び減少に転じた。

 戸数の内訳を見ると、持ち家は2万1915戸(前年同月比8.8%減)で13カ月連続の減少。8月としては1959(昭和34)年の1万8221戸以来の低水準。また貸家は2万7671戸(同5.4%減)で、24カ月連続の減少となった。

 分譲住宅は1万8933戸(同15.9%減)で10カ月連続の減少となった。分譲のうち、マンションは9377戸(同7.7%減)で3カ月連続の減少、戸建ては9455戸(同22.7%減)で9カ月連続の減少。特に分譲戸建ての減少幅が大きく、戸数・減少幅共に09年8月の7642戸(同24.2%減)に次ぐ低い水準にとどまった。

 地域別で見ると、分譲戸建ては各地域とも二桁の減少で、特に中部圏では同36.5%減と減少幅が大きい。分譲マンションは首都圏(同16.3%減)以外は同1~6%程度の増加を見せた。一方、貸家は首都圏(同7.5%増)のみ増加し、他の地域はいずれも二桁減。持ち家はすべての地域で減少となっている。

 同省建設経済統計調査室が行った大手事業者へのヒアリングによると、「持ち家は新型コロナウイルス感染症の影響により、住宅展示場への来場者が減少するなどして受注減少が見られた。分譲マンションは用地の仕入れや着工タイミングなどにより波が大きいため、同感染症の影響は現状不透明。分譲戸建てについては、住宅展示場の停滞のほか、土地の仕入れ状況などの影響も考えられる。ただし郊外の戸建てへのニーズも見受けられ、需要自体の減少のためとは必ずしも言えない」としている。