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大言小語 不快なスマホ広告

 広告に関する消費者の苦情、相談は、価格、品質、契約や取引条件などに関するものが一般的だ。悪質な詐欺や個人情報に関わる内容なども挙げられる。しかし、スマホ広告に限定してみるとこれまでとは異なった問題も見えてくる。日本広告審査機構(JARO)が、20~40代のスマホ利用者を対象に実施した「スマホ広告における消費者調査」を会報誌で紹介している。サブタイトルは「不快な広告、不快ではない広告」。消費者が不適切、不快に感じる広告の実態を調べたものだ。

 ▼調査の参加者がスマホ広告に対して不適切、不快に感じた業種は、上位から漫画アプリ、健康食品、化粧品、求人・転職、マッチングアプリなどが続いている。問題点として指摘されたのは、「表現」と「表示のさせ方」が共に33%を占めて最も多く、次いで11%の「マッチング」が続いた。漫画アプリの広告には、過激な表現やショッキングなシーンが多いとし、マッチングでは自分は興味がないという興味不一致がそれぞれ理由に挙げられている。

 ▼不適切、不快とされたスマホ広告をJAROが確認したところ、3割は広告規制上問題なしというが、不快感を与える広告に効果が期待できるのかは疑問だ。更には7割に問題があることも深刻だ。マッチングサービスが普及しつつある不動産業界でも、「興味不一致」が今後、問題として浮かび上がってくるかもしれない。