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大和ハウス テレワークプランが好発進 発売初月に受注56棟

 大和ハウス工業は6月1日から、ニューノーマル(新常態)時代を見据え、テレワークスタイルのプラン提案を開始している。受注は1カ月間で56棟と好調なスタートを切った。7月8日には報道陣を対象に「ニューノーマル時代の住宅」についてオンラインで説明会を開催。ウィズコロナを踏まえた提案の現状や展望が紹介された。

 会見で大友浩嗣取締役常務執行役員は「ウィズコロナの中で発生、増幅した意識や行動は(新型コロナが)収束した後もなくなるわけではない。ニューノーマルな生活は後ろ向きなものだけではなく、前向きな変化も数多く誕生している。この変化をチャンスと捉える」と方向性を説明した。

 テレワークを経験した同社社員と、配偶者がいる生活者(男女1200人)への調査を踏まえ、テレワークによる職住融合、家庭内での感染リスク対策の慣習化といった課題を発見した。

 テレワークスタイルのプラン提案は6月1日から開始。内容は防音性の高いクローズド空間「快適ワークプレイス」と、家族の気配を感じ、子供を見守りながら仕事に取り組めるセミクローズ空間「つながりワークピット」の2つ。

 両プラン共通のアイテムは3光色切替LED照明(昼白色・電球色・温白色)、オフィスと同等の奥行き60センチのデスクなど。提案価格(税込み)は新築戸建て住宅の場合、約3畳の納戸空間に「快適ワークプレイス」がプラス71.5万円から、「つながりワークピット」がプラス44万円から。

 提案開始からの1カ月間で受注は新築戸建てで56棟。大友取締役は「新商品は契約に至るまで時間が掛かるもの。リリースした月に契約することはない。(プランの)反響はよい」と述べた。受注は月間100棟を目指す。

 住宅事業推進部営業統括部の佐藤文主任は採用の傾向について「土地の狭い東京などでは、他のスペースを削ってテレワーク用の部屋をつくる。採用の多かった中部地方では、土地のポテンシャルを生かし、専用の部屋をつくる」と説明した。また、子供が小さいと、見守りながら仕事をしたいという要望は多く、プラン採用にも子供の年齢が反映されている。

 現在は新築戸建てがメインだが、リフォーム、マンション、賃貸住宅などへの展開は技術面、市場のニーズを分析して判断する考えだ。

 一方、新型コロナの影響で「帰宅時に必ず手洗い・うがいを家族に呼び掛ける」「マスクや消毒液の残量の確認・購入」といった細かな家事が新たに発生。共働き世帯を対象にした戸建て住宅「家事シェアハウス」では動線を生かして、こうした細かな家事に対応するアイデアも紹介していく。

提案の進化へ

 新型コロナの影響で展示場来場は4月が前年同月比(単月)77%減、5月は同63%減、6月は同26%減。7月に入り、来場、分譲や土地への問い合わせは増えている。大友取締役は「ウィズコロナの中で住宅に関してどういう提案ができるかを、お客様に寄り添いながら常に進化させたい」と抱負を述べた。