総合

大言小語 コロナと酒

 日頃の不摂生が原因で数年前に入院し、かかりつけ医に定期的に健診を受けている。この前行くと何か変わったことはあるかと聞くので、コロナのおかげで外で飲む機会がなくなり、深酒しなくなったと答えたら、いつから飲んでるのかと聞く。

 ▼一瞬、16、17歳と答えそうになるが、質問の意味が分からず、?という顔になっていると、医者が、何時から飲んでいるのと更に聞く。いつものように夕方(それでも、いつもより早いが)と話すと、ほかの患者は昼から飲んでいるんだよ、本当に困るねと嘆息する。上には上、いや下には下がいるものと感じ入った。

 ▼SNSや新聞記事によれば、昼から飲み始めることもあると答える人が、新型コロナウイルスの影響で増えているという。通勤時間がなくなった分、暇になり、酒ですき間を埋めるということか。せっかく、〝痛勤地獄〟から解放されたのに、酒の飲み過ぎで健康を害しては意味がない(と飲兵衛の私が言う)。WHO(世界保健機関)は、このほか「精神作用物質やゲーム・ギャンブルに陥りやすい」と指摘する。人間はつくづく弱い生き物だ。

 ▼いくつか薬も出始め、ワクチンも開発中だが、まだまだ新型コロナウイルスの収束時期は見えてこない。だからこその不安解消なのだが、酒は百薬の長であり、されど万病の元ともいう。ちょうどよい付き合いを模索するために、今宵はコロナエキストラでも飲もう。