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京成不動産 家族信託セミナーに100名 初のオンラインに手応え コロナ対策、家族での視聴も

 家族信託のコンサルティングを手掛けている京成不動産(東京都葛飾区)は4月26日、「家族信託を学ぶ」をテーマに初のオンラインセミナーを開いた。同社は家族信託の普及に力を入れており、3年ほど前からオーナーや事業者向けに、100回を超える家族信託の定期セミナーを開催してきたが、新型コロナウイルス感染防止対策として、オンラインに切り替えた。

 参加者(視聴者)は100名で、「従来よりも圧倒的に多かった」(同社)という。その背景としては、そもそも潜在需要が高いことに加えて、今回のコロナ騒動で健康被害が所有財産に及ぼす影響について情報収集意欲が高まっていること、自宅で気軽に参加できることなどが推測される。同社では、代表者が申し込み、家族で視聴するケースも多かったと見る。今後はユーザーのオンラインでの情報取得が主流になると見て、同社ではコロナ収束後もこうしたオンラインによる情報発信は定期的に行っていく予定だ。

 今回のセミナーでは、同社企画営業部の田村豊氏が講師を務め、民法と比較しながら家族信託が登場した背景や仕組み、メリット・デメリット、導入実例などを解説した。家族信託とは、財産の処分や管理を信頼できる家族に託しておくもの。田村氏はセミナーの中で、最大のポイントとして「民法上の財産は『所有権』だが、信託法上の信託財産は『権利』(受益権=信託財産から給付を得る権利)と『名義』(名義人=信託財産の管理・運用・処分などの権限)に分離可能である点」と指摘。

 更にこうした仕組みは不動産などの資産の承継だけでなく、企業経営者の事業承継にも有効である点も説明した。

 同社は京成線沿線で地域密着型営業を展開している不動産仲介会社。家族信託コンサル事業での組成実績は50件超に上る。