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社説 テナント家賃補助に抜けた視点 オーナーの返済支援セットに

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 新型コロナウイルス感染防止対策が続く中で、中小規模のテナントの家賃補助に対する議論が活発化している。緊急事態宣言が全国に発令され、商業施設が休業を余儀なくされており、毎月発生するテナント家賃の支払いが経営の大きな負担になっている。

 4月21日には外食産業の経営者などが、不動産会社への家賃の支払い猶予や政府系金融機関による肩代わりなどの法整備を訴えており、営業ができず資金繰りに苦慮するテナントのひっ迫した経営状況が浮かび上がる。

 不動産オーナー側は、どのような対応をしているのか。テナントとの家賃交渉については、大手企業で個別に対応する動きも出ている。また、国は不動産業界団体に対して家賃減免や猶予を要請すると共に、損金算入や固定資産税減免の対象になるなどの税務上の支援策を検討している。これに対して、テナント側からは不動産オーナーへのメリットが大きくなるのではないかとの声が一部で上がっている。

 本来、両者はビジネスパートナーであり、新型コロナのような天災ともいえるリスクに対して、どちらか一方が大きな負担を負うべきではない。しかし、現状はテナントに過大なリスク負担を強いており、そのフラストレーションが不動産オーナーに向けられたのは不幸としか言いようがない。

 一般的に不動産オーナーは、物件取得資金を金融機関からの借り入れで賄っており、月々の返済の原資は家賃収入に頼っている。大手企業は充実した内部留保や収益の多様化などで窮地のテナントの支援も可能だが、財務基盤が弱い中小・零細にとって月々の家賃収入の減少は、借り入れの返済原資を失い、資金繰りに窮することになる。個人の不動産投資家も同様だ。ここに家賃減免に応じることが難しい事情がある。

 2月25日号の弊紙社説では、期間を分けて対策を考える重要性を指摘した。中小・零細の不動産オーナーへの税による支援は中期的な支援であり、借り入れの返済は短期の問題だ。短期の問題を中長期的な支援で解決することは難しく、短期の支援が必要になる。家賃減免は不動産オーナーの財務基盤に依存するが、テナントの家賃肩代わりは財政基盤が弱い中小・零細への短期の支援にもつながる。家賃減免を行うのであれば、減収分の借り入れ返済猶予もセットで行わなければ不十分だ。

 負債が膨らむ融資は、家賃減免支援としては敬遠されるだろう。テナントの過大な負担を不動産オーナーに押しつけても、問題の解決にはならない。新宿区は、家賃を減免する不動産オーナーに対する独自の助成制度を示している。

 与野党による家賃支援法案が検討されている。どちらか一方ではなく、テナントも不動産オーナーも双方が納得できる支援にしなければならない。

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