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大言小語 監視と自粛

 先日の三連休、全国的に暖かくなったこともあり、桜の開花も進んだことで、思ったよりも多くの人出があった。かくいう小子も是非行きたいと思っていた場所があり、一泊旅行をしてきた。それは、千葉県の房総半島だ。

 ▼ご存知のように昨年9月に台風15号(後に令和元年房総半島台風と命名)により、市原市のゴルフ練習場の鉄柱や県内の電柱が数多く倒れ、停電が大規模に起こり、大きな被害が出た。館山市や南房総市などは観光が主産業だが、ホテルではキャンセルが相次ぎ、大打撃を受けた。そこへ新型コロナウイルスが襲う。自粛することも考えたが、それでは房総に貢献することはできない。マスクを装備し、海の幸を味わった。

 ▼台風から半年が経つが、いまだに屋根にブルーシートが掛かる家が散見された。まだ復旧途上で、コロナの追い打ち。利用したタクシーの運転手も窮状をしきりにぼやいていた。新型コロナウイルス自体の脅威もさることながら、自粛が続くことによる経済への打撃や人心の荒廃が気にかかる。

 ▼政府は、イベントなどの自粛に関しては要請だとして、開催後何があっても主催者の判断とする。それにより、無理に開催すると一般市民の監視の目と批判が刺さってくる。これは更に人心の荒廃を招く。新型コロナウイルスは一過性のものではなく、長い戦いになる。そのためにも人の心を優先した対策を期待したい。