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大言小語 どうなる2020

 2020年がついに幕を開けた。言うまでもなく、東京五輪・パラリンピックの年である。干支は庚子。東洋思想では、新しいことを始めるにはいいと言われている。前回の庚子は1960年。高度経済成長の真っただ中で、池田勇人首相が所得倍増計画をぶち上げたのもこの年だ。ただ、社会全体では、60年安保の年でもあり、大荒れだった。

 ▼今年も不安要素はある。オリンピックの前に、政治では、東京都知事選がある。そして、衆議院選挙も今年中に行われるのではないかという予測があり、場合によっては、都知事選と同日も考えられる。政治情勢が動けば、経済などにも大きく影響があるだろう。

 ▼その経済についても、大きな不安要素となっているのが、消費増税の影響だ。例えば景気動向指数を消費税が5%から8%になった14年4月と昨年の10月を比べると、14年4月の前年比が▲4.8なのに対し、昨年の10月は▲5.6。先日行われた全国スーパーマーケット協会の事業者調査では、消費税率引き上げ後の消費動向について、約4割が「想定より悪い」と回答し、今後の消費回復では、「しばらく回復しない」が6割を超えた。

 ▼正月早々、暗い話をしてお叱りを受けそうだが、COP25での「化石賞」の例を出すまでもなく、世界における日本の評価は低い。筆者の心配が「大山鳴動して鼠一匹」となってくれることを希望する。