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社説 10月1日 住宅消費税10%に 市場左右しない住宅税制の議論を

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 10月1日に消費税が10%となった。多くの人にとって一生に一度の買い物となる住宅も軽減税率の対象ではなく、消費税は10%が適用された。住宅は消費税引き上げのたびに起きた増税前の駆け込み需要は今回、注文・分譲住宅で目立った動きはなかった。住宅の場合、今年3月末までの契約で8%、4月以降の契約で入居が10月以降になるものは10%の税率が適用されるが、4月以降に反動減はほとんど見られない。不動産協会の菰田正信理事長は、政府の対策により消費増税の駆け込みはほとんど見られず、10月1日以降も大きな混乱はない旨を表明。現場の声もほぼ同様で、実感として消費増税は注文・分譲住宅で大きな影響を与えなかった。

 一方、政府による対策がなかった賃貸住宅は、3月末までに駆け込み需要とその後の反動減が発生した。賃貸住宅の着工戸数は、今年7月まで11カ月連続でマイナスを記録し、7月単月で見ても前年同月と比べて15%以上落ち込んでいる。積水ハウスの仲井嘉浩社長は、賃貸住宅の受注環境に関して消費増税に伴う駆け込み需要とその後に反動減があったことを認めている。

 今回の政府による消費税引き上げは、対策の有無が市場を左右する結果となり、税制は住宅市場に大きな影響力があることを端的に表すものとなった。政府が消費税引き上げで住宅対策を充実させたのは、消費税率を5%から8%へ引き上げた際の対策が不十分で、駆け込み需要と反動減で住宅市場が不安定化したためだ。

 住宅投資は、住宅建設に関連する不動産業や建設業のみならず、入居時の家具や家電購入などの消費需要にまで広がるため、国は公共投資と並ぶ重要な内需の柱と位置付けている。まさにこの点が住宅対策を手厚くした根拠になっている。ただ、対策の有無が住宅市場に大きく影響を与えるのは、税のあり方としてどうか。

 消費税は10%になったばかりだが、将来的には更に税率がアップするという見方もある。注文・分譲住宅と賃貸住宅で対策に差があった今回の反省を踏まえ、安定的な住宅税制を目指すべきではないか。取得、保有、流通に係る税を整理して、できるだけ分かりやすい住宅税制にする。消費税や固定資産税、不動産取得税、登録免許税などをどう整理していくのか、そのための具体的な議論を始めなければならない。

 そして、時代に対応した優良な住宅ストックのための政策的な支援は、予算で重点的に行うべきではないか。近年、災害が多発しており、防災性能の高い住宅への支援には社会的な意義もある。また、政府が約束した地球温暖化対策の一環として環境性能が高い住宅への支援もある。10月は住生活月間。税に住宅市場が左右されない、これからの住宅税制の議論を始めるいいタイミングではないだろうか。

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