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社説 賃貸仲介業の未来は 地域貢献など幅広い活躍を

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 国土交通省は10月1日からIT社会実験を行う。いわゆるIT重説に関するものだが、注目されるのは初めて行われる「37条書面の電磁的方法による交付」の実験だ。これまで、取引で言えば、重説に関する事項だけ電子化され、また契約になったらアナログになるという不自然な方法を取らざるを得ない状態からようやく一歩踏み出した。

 ここで、その先の状況を想定していこう。不動産テックが進んでいる現在では、物件内見もAR(拡張現実)で済ませ、重要事項説明もITで行える。不動産業者に会わないで契約前まで済ますことができる。その上、契約書の交付まで可能になると、すべてがネットで完結できることになる。不動産業者の出る幕がなくなるわけだ。

 現実に、IT企業イタンジの野口真平社長は本紙のインタビューに答え、「8月にリリースする新サイトでは、セルフ内見からサイト上で入居の申し込みまでもできる」「物件情報は従来の仲介会社ではなく、管理会社に掲載してもらう。元付け事業者と入居希望者をシンプルにつなぐ」と述べている。こうした動きはテック企業だけではない。自ら賃貸の事例だが三菱地所Gは内覧予約から賃貸借契約、入居開始までを完全非対面で行う仕組みを構築し、自社グループ会社が管理する賃貸マンションで始めている。このほか、三井ホームエステートなど電子化を積極導入しており、その波は止められない状況だ。前述した社会実験の結果、問題がなければ、法改正を経て賃貸契約の電子化は本格運用されよう。そのとき賃貸仲介業者は自らの存在価値をどこに求めるのだろうか。

 まずは、現在も進んでいる賃貸管理業との融合だろう。地域業者では、賃貸仲介だけを生業とするケースは少なくなっている。客付けだけでなく元付けとしても対応していくことで、オーナーの信頼を得て、客付けに生かすのだ。そのためには、管理業務の質を上げなければならず、賃貸不動産管理業者への登録、賃貸不動産経営管理士の設置は不可欠となる。

 また、少子高齢化により、高齢者が増える。あるいは外国人労働者も増加することが見込まれ、そうした住宅確保要配慮者への仲介あっせんではユーザーもオーナーも、必ずしも電子化ではなく、アナログな対応が求められる。地域貢献、社会貢献に資する取り組みが求められることになり、積極的な対応が本業のより幅広い展開につながるのではないか。

 待っていれば向こうから店に来てくれる時代は終わる。これまでより一層質の高い総合的な業務を行わなければならない。新しい時代は更に自分たちのスキルを上げて対応しなければならず、その力は賃貸仲介業者には十分すぎるほどあるはずだ。サブスクリプションなど、新形態も登場する新しい時代での活躍が期待されている。

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