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大言小語 それぞれの働き方改革

 新元号のことばかりが報道されがちなため、ここは、4月からの改正労働基準法を考えたい。従来も企業には、毎年一定日数の年次有給休暇の付与が求められていた。今後は年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者には、年5日を企業が時季指定して取得させることが義務化された。

 ▼これに喜ぶ、または困る会社員がそれぞれにいるだろう。自身を振り返れば、いくつかの転職を重ねてきたが、どの職場にも、仕事の〝ふり〟だけで会社に残っている人たちがいた。先輩よりも先には帰りづらい、または家庭の不和なのか〝帰宅拒否〟の人、他にも、遅くまで〝頑張っている〟とのパフォーマンスのための人もたくさんいた。

 ▼最近は、何かと、「ハラスメント」をつける風潮がある。「時短ハラスメント」もその一つ。過労死問題で長時間労働を防ぐために帰宅を強要するもの。ただ実態は、自宅に仕事を持ち帰り、表面上の〝働き方改革〟となっている。そもそも、単に号令だけで短時間化できてしまうような仕事とは、それまでどのように遂行していたのだろうか。

 ▼仕事でキャリアアップしたいと願う社員には、年次有給休暇や短時間業務の強制は、逆に困った話にもなる。当然、健康には気を配る必要はある。最重要なことだ。GW10連休に入る。受けとめ方はそれぞれ。この際、個々人としての「働き方改革」を考えるよい機会になるかもしれない。