総合

大言小語 鑑定士の被災地支援活動

 大阪北部地震に続き平成30年7月豪雨。「有事の際も社会に役立つ専門家」を目指して被災地の住家被害認定調査等の支援活動を行っている不動産鑑定士たちが奔走している。被災者再建の第一歩となる「り災証明書」の取得に欠かせない調査だから、速やかさが求められる。

 ▼東京都不動産鑑定士協会は14年度から、災害時対応として住家被害認定調査等研修事業を実施してきた。その成果は16年4月の熊本地震で早速、実践で役立つ。都を介して南阿蘇村から支援要請が入った。そこでは全国から応援で駆け付ける自治体職員らと一緒に調査や住民の相談対応、更に不慣れな応援隊などへのレクチャー役など手分けしながら様々な活動を行ってきた。

 ▼熊本地震の体験を基に独自の教材を作り、災害時に被災者支援の活動ができる不動産鑑定士を増やそうと全国の鑑定士協会に働きかける一方、都内自治体と防災に関する連携体制を構築してきたのが会長の吉村真行さんだ。

 ▼5月に鑑定士協連災害対策支援特別委員長にも就任。大阪北部地震では「北海道から九州まで多くの鑑定士が駆け付け」ているし、豪雨災害では愛媛県宇和島市、福岡県久留米市などからの支援要請に地元協会と連携しながら実践的な対応を推進中だ。大災害が続いたことで鑑定士の被災地支援活動はより機動的になり、存在感も高まってきたようだ。