総合

大言小語 未来を明るくする新潮流に

 6月は水無月とも呼ばれる。その「水無月」という名前の和菓子があるが、これは氷を模した三角形の白いういろうの上に、厄除けの意味を込めた小豆を乗せたもの。1年のちょうど半分である6月の終わりに行われる行事の菓子で、半年間の穢れを落とし、後半の半年を健康で過ごせるようにとの願いをこめている。 ▼時の流れに区切りをつけることは大事だ。いたずらに時間が経ってしまったと後悔しないための工夫である。不動産業界の今年前半はどうだったか。4月から、インスペクションが重要事項説明に加わり、安心R住宅制度も始まった。いずれも既存住宅流通を促進するための国の制度だ。更に今月15日には、いよいよ民泊新法(住宅宿泊事業法)が施行される。気を引き締めるタイミングである。

 ▼民泊は関連省庁が連絡会議を立ち上げ、住宅宿泊仲介業者も業界団体の設立準備を始めるなどその期待の大きさを伺わせる。様々な業界が民泊をビジネスチャンスと捉えて参入する一方、既存のホテル業界も顧客を取られまいとサービス拡充などの対抗策を打ち出している。互いに切磋琢磨してほしい。

 ▼ただ、こうした新しい制度や法律がどのような波紋を社会にもたらすのかも気になる。今後も行政と業界が連携し、雲間から差し込む光のように、未来に希望を抱かせるような新潮流を生み出したいものだ。