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大言小語 東京の大雪と大寒波

 雪にはめっぽう弱い東京。4年ぶりに都心で20センチ以上の積雪を観測した1月22日。その余波は、24日からの大寒波襲来で長引き、今なお滑って転ぶ可能性のある危険カ所が数多く残っている。今回、弱点の象徴になったのが、除雪に手間取っていた首都高速道である。26日なってようやく動脈は全通した。

 ▼開通が遅れた要因について、都心部周辺の再開発の進展を指摘する声がある。道路上に日影が増え、ビル風が強まったことが、積雪を溶けにくくさせ除雪を難しくしているというのだ。元々首都高は川や運河の上など風の通り道を走り、長いトンネル区間もあるため、検証は難しい。都市構造の変化が一因であることも事実だろうが、そうだとしても最大の要因は雪対策が十分でなかったことである。

 ▼雪国新潟でも時々交通マヒが起きる。JR信越線で1月11日、乗客400人を乗せた電車が15時間も立ち往生した。翌日からのセンター試験を受ける高校生も数多く乗っていた。降雪が強まる中で電車を走らせた判断、その後の復旧作業の進展が順調でなかったことをJRは謝罪した。雪対策〝先進県〟でも的確な判断と効果的な対策が難しいことを示している。

 ▼地球温暖化のためか、このところ気象変動の振幅が大きくなっている。首都圏でもそろそろ本格的に「降雪」「積雪」を前提とした交通ルールや除雪対策などを確立する必要があるだろう。降雪はこれからが本番だ。