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大言小語 豊かなコミュニティに好機

 「改正住宅セーフティネット法」施行(10月)に向けた国土交通省による説明会が始まった。空き家対策と連動させていることもあり、業界の注目度は高い。

 ▼改正法では高齢者や障害者など住宅確保要配慮者向けに民間の賃貸住宅を登録する制度が設けられた。登録のために空き家・空室を改修する場合は、1戸(室)当たり最高100万円が補助される。低額所得者の入居には家賃補助も実施する。

 ▼千葉で生活サポート付きの家賃保証会社「あんど」を立ち上げた友野剛行氏(共同代表の一人)は、グループホーム10カ所を運営する福祉事業会社の社長。設立の動機は、障害者の自立の夢をかなえたいという強い思いだ。彼らは不動産会社で部屋を探しても〝○○が出来ないから(心配だから)〟という理由で入居を断られてしまう。でも同氏はこう話す。「障害の度合いは人それぞれであり、物件の周辺環境や住戸内の設備(例えば蛇口の形状)などにほんの少しの配慮をするだけで一人暮らしができる人は多い」と。

 ▼自分の希望や身体状況をうまく説明できない人もいる。本人に代わって主張すべきところは主張し、相手と交渉する。これから必要なのは、こうした代弁者だとも指摘する。法改正を機にセーフティネット住宅に不動産会社が関心を持てば、地域に<自助><互助>の空気がみなぎり、豊かなコミュニティが育つ。