総合

大言小語 不動産業のおもてなし

 先日、街中で「エクスキューズミー」と声を掛けられた。道に迷った欧米の外国人だった。これが逆に日本人が海外に、特に英語圏へ行けば、中学英語や英会話集などで「ハロー」「マイ・ネーム・イズ…」などと話すもの。その辺りは日本人らしい「心遣い」なのだろう。外国人もせめて「スミマセン」くらいの日本語を憶えて来ないのだろうか。訪日は大歓迎なのだが。

▼2016年の訪日外国人は2400万人だったそう。ホテルや商業施設の観光業界を中心に外国語で接客し、メニューに外国語の併記が増えた。飲食店やコンビニの店員でも外国人を多く見かけるようになった。

▼不動産業界でも、部屋探しで外国人に接客する機会が更に増えていく。民泊が合法的に普及すればなおさら。外国語で流暢に話すかは別でも、第一線の店舗では外国人、外国語の対応が避けられない。その際は、せめて日本人らしく「おもてなし」の心で対応したい。

▼外国人相手の接客では「おもてなし規格認証」というものがある。顧客、従業員、地域・社会の満足を高めるサービス品質を認証する。接客のISOのようなものだ。認証取得者は観光産業で多いが、不動産業ではまだ数えるほど。実物取引なら目に見えるが、部屋探しなどの「見えそうで見えないサービス」で訪日外国人を相手にする企業には、認証を取得しても損はないかもしれない。