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大言小語 贈り物の意味

 先日の母の日、地方に住む義理の母に贈り物をした。洋服や帽子、箸や湯飲み。毎年贈り物をしていると、いよいよ送る物もなくなってくる。知り合いの60代女性から「カーネーションばかり毎年もらっても、どうせすぐに枯れてしまうから、本当はもうくれなくていいのに」という話を何度か聞いた。

 ▼私が疎いだけか、男女の差か定かではないが、男2人兄弟で育った私は両親の結婚記念日を知らない。当然、両親の結婚記念日を祝ったこともない。しかし、兄と4姉妹で育った妻の実家では毎年両親の結婚記念日をお祝いしている。実にイベントが多い。子育てをしている日常を振り返ると、昔はなかったイベントが増えた。ハロウィン、イースター。その意味を理解しないまま、子供たちの間で行われている。

 ▼母の日や結婚記念日などの贈り物は、「好きな物を買ってください」と商品券などを送ることが一番いいのではと最近は思っていた。そんな時、娘宛てに祖父から突然の贈り物が届いた。中身は、「開けてからのお楽しみ」とのこと。大きな箱に入る贈り物を開ける小学生の娘は、普段見せない、うれしそうな顔をしていた。その表情に少し驚き、反省した。相手が「気に入らないかも」と考え商品券ではいかにもさみしい。これからは、子供に教わった贈り物の本来の意味を忘れずに、贈り物を選んでみようと思う。