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大言小語 避難生活の改善を

 熊本地方を4月14日夜と16日未明、二度にわたって震度7の大地震が襲った。地震活動は今なお続き、震源域は活断層沿いに北東の大分県方向と県南西方向へ広がっている。

 ▼最大震度の地震は95年阪神淡路大震災、04年新潟県中越地震、11年東日本大震災に続く4度目。破壊力は数多くの住宅倒壊、ビルやマンションの損壊、山崩れ、新幹線の脱線。そして50人を超える犠牲者の数となって表れた。地震がないと思われていた地域だったが、活断層が全国に2000以上あり、潜伏断層もあると言われる現実。日本列島には〝地震の安全地帯〟はないことを示している。

 ▼熊本地震の場合、震災への備えは、また住民の避難や救援体制はどうだったか、改めて点検する必要があるだろう。ただ、緊急態勢から避難生活へ移行した被災者の状況を見ると、残念ながらこれまでの苦難が繰り返されたようだ。避難生活者はなお9万人。避難所は過密状態、血栓症の危険にさらされる車避難者も多い。

 ▼大震災が起こる度に客船の活用や大型テントの常備、病院船の保有などのアイデアが持ち上がるが、具体化しない。身の危険を感じたとき逃げ込めるのが避難所だが、質と量とも圧倒的に足りない。プライバシーや健康問題を含めて対応できる体制を整えたい。知恵を絞って、少しでも避難生活を改善させていくこと。これこそが大震災への備えではないか。