総合

大言小語 人工知能とマイナス金利

 人工知能(AI)の発達で、今後20年以内に今ある職業の約半数がコンピュータに取って代わられるという。ということは、あと100年もすれば人類はすべての仕事から解放され、遊んで暮らすことができるはずだ。その結果、人間が劣化し争いが増えても、検事、弁護士、裁判官それぞれの役割をAIが担えば公正な判決が得られるだろう。

 ▼お金を稼ぐための仕事をいっさいしなくてもいいということは、お金自体がいらなくなる世の中がくるかもしれない。そういえば世界では数年前から、日本では最近、マイナス金利が導入された。お金の役割に歴史的異変が起こっているようだ。

 ▼国は国債を発行して借金をすればするほど金利がもらえるようになったので、インフラを整備する事業にはゼロ金利で融資することを検討しているという。余裕ができたのなら、これまでの借金を返すことに努力すべきと思うのだが、庶民にはよく分からない世界である。今こそ経済学者は〝お金〟に何が起こっているのか、はっきりと説明すべきだ。

 ▼よく分からないといえば、中古市場の透明化は本当に進むのかも大いに疑問。不動産テクノロジーの進展で情報の透明化は必然との指摘がある一方、〝囲い込み〟に象徴される業界の古い意識は根強い。透明化すべきという立て前と、利益重視という本音との闘いはまだまだ続く。